2015年に公開された映画『龍三と七人の子分たち』は、北野武が監督・脚本・編集を
手掛けたコメディ映画であり17作目の作品。
元ヤクザと詐欺集団との戦いをコミカルに描いた作品で、
高齢化社会やオレオレ詐欺といった社会問題を盛り込まれた作品。
元組長役の藤竜也ほか、近藤正臣など平均年齢72歳のベテラン陣が出演。
Contents
主なスタッフとキャスト
監督・脚本・編集:北野武
日本を代表する映画監督であり、バイオレンス映画からコメディまで幅広いジャンルを
手がける。独自のユーモアと暴力描写が特徴。
キャスト:
藤竜也(龍三親分)
ベテラン俳優であり、渋い演技と存在感が魅力。龍三役では、かつてのヤクザとしての
貫禄とユーモアを見事に表現。
近藤正臣(若頭のマサ)
長年にわたるキャリアを持つ名優。落ち着いた演技で龍三を支える若頭役を熱演。
中尾彬(はばかりのモキチ)
その独特な声と風格で知られる俳優。はばかりのモキチ役としてコミカルな一面を披露。
安田顕(西)
演技力に定評のある個性派俳優。詐欺師役として新世代の悪党を演じる。
品川徹(早撃ちのマック)
名脇役として活躍し、ガンマン風の元ヤクザを演じる。
樋浦勉(ステッキのイチゾウ)
ステッキを武器にするキャラクターとして登場。ベテランならではの味わい深い演技。
伊藤幸純(五寸釘のヒデ)
五寸釘を駆使する設定のユニークな元ヤクザ。
吉澤健(カミソリのタカ)
カミソリを使う冷酷なキャラクターとして活躍。
小野寺昭(神風のヤス)
特攻精神を持つ昭和のヤクザ像を体現。
萬田久子(キャバクラのママ)
美貌と存在感でキャバクラのママを熱演。
ビートたけし(村上刑事)
監督自身が刑事役として登場し、作品にアクセントを加える。
ストーリー
70歳のヤクザの元組長・龍三(藤竜也)は、家族から疎まれ、肩身の狭い思いをしながら
余生を過ごしていた。
ある日、家族の留守中にオレオレ詐欺の電話を受ける。相手の指示通りに金を集め、
待ち合わせ場所へ向かうが、龍三のただならぬ雰囲気を察知した詐欺師が
逆に逃げ帰ってしまう。
その後、刑事の村上(ビートたけし)から詐欺グループの存在を聞いた龍三は、
かつての仲間たちを集め、詐欺集団に一泡吹かせるべく動き出す。
集まったのは、若頭のマサ(近藤正臣)をはじめ、個性派揃いの元ヤクザたち。
彼らは現代の悪党たちに対抗し、昔ながらの"任侠魂"を見せつける。
果たして、元ヤクザたちは詐欺集団を懲らしめることができるのか?
映画の見どころ
シニアヤクザたちの個性溢れる活躍
それぞれの異名にふさわしい独特の戦い方が特徴。
五寸釘やステッキ、早撃ちといったユニークな武器を駆使する彼らの活躍が、
コミカルでありながらも見応え十分。
北野武監督ならではのユーモアと哀愁
笑いの要素だけでなく、彼らの哀愁も描かれている。
長年裏社会を生きてきた彼らの誇りや時代の流れへの寂しさが感じられ、
単なるコメディにとどまらない。
昭和の男たち vs 現代の悪党たち
詐欺集団をはじめとした現代の犯罪者たちに、昔気質のヤクザたちが立ち向かう。
価値観の違いが鮮明に描かれ、時代の変遷を実感させられる展開。
コミカルなアクションシーン
年齢を感じさせない元ヤクザたちの意外な身体能力や、昔ながらの"ケンカの流儀"が
見どころ。派手なアクションではなく、緻密な演出が光る。
ベテラン俳優たちの演技合戦
映画を支えるのは藤竜也をはじめとするベテラン俳優陣。
彼らの円熟した演技と掛け合いが作品に深みを与え、観る者を引き込む。
映画全体に散りばめられた"北野節"
細かい会話のやり取りや、独特の間の取り方など、北野武らしさが随所に感じられる。
監督特有のブラックユーモアと独自の演出が楽しめる。
映画の個人的な感想
本作は、北野武監督作品の中でも特にコメディ要素が強く、気軽に楽しめる映画だ。
昭和の男たちが現代の悪党たちに立ち向かうというテーマは、
笑いとともに一抹の寂しさも感じさせる。
また、ベテラン俳優陣の熟練の演技が光る。
とくに藤竜也の貫禄とユーモア、近藤正臣や中尾彬の円熟した演技が映画の魅力を
一層引き立てている。
まとめ
本作は単なるコメディにとどまらず、現代社会における高齢者の役割を考えさせる
テーマも含まれている。
ベテラン俳優陣の熱演と、北野武監督ならではのユーモアが融合した、唯一無二の作品だ。
映画好きはもちろんのこと、北野武作品のファンや、シニア世代の活躍を描いた作品が
好きな人にもおすすめの一本。
ぜひ、この作品を観て、昭和の男たちの熱い魂を感じてほしい!
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